荷主とトラック運送サービス 国のガイドライン

「トラック運送サービスを持続的に提供可能とするためのガイドライン」が国から発表されました。厚生労働省、国土交通省、経済産業省、農林水産省の連名でのガイドラインです。
 
トラックドライバーの高齢化と、着々と進む労働力不足でいよいよトラック運送も危機的な状況を迎えつつあります。
荷主の方であれば、運送会社からトラック運賃の値上げ要請を受けているかと思います。その背景には2つの要因あります。
1つがドライバーの給与アップの原資とすることです。従来トラック運送は過当競争で、荷主は交渉する都度運賃が下がっていたと思われます。
全国に運送事業者は約6万3000社ありますので、過当競争になるのは当然ともいえました。しかしここにきて、ドライバーが高齢化し、その後の担い手も増えずに運送各社ともに人手不足に陥りました。
トラックドライバー職はかつて1000万円プレーヤーが大勢いたものですが、最近では労働時間に歯止めがかかった影響で、給与は大幅に減額されました。
長時間労働の割に給与が安い職であるドライバーは敬遠され、徐々に不足状況に陥りました。
 
もう1つが下請業者への支払いが増えたことです。同じ状況で下請運送会社も運賃を上げていますので、それが元請のコストアップとなり、荷主に運賃値上げを要求せざるを得なくなったのです。
元々トラック運送は、供給者と需要者の強弱の差が大きい業種です。なかなか荷主に対して強いことはいえずに要求を受け入れてきた歴史があります。
このままではトラック運送自体に支障をきたす恐れがあり、このガイドラインが設けられたものと推測いたします。
内容に目新しいものはありませんが、運送に関わるコンプライアンスをあらためて荷主に知って欲しいというトーンになっています。
その中心にあたるものがトラックドライバーの労働時間です。ドライバーの労務管理の主体は運送会社ですから、荷主側はあまり意識してこなかった事項でもあります。
ですが、この労働時間を守るためには荷主の協力と配慮が欠かせないため、このガイドラインで取り上げられているのです。
 
おさらいの意味を含めて、トラックドライバーの労働時間についてレビューしていきましょう。
まず拘束時間、つまり始業から終業までの時間は、1日原則13時間以内で、最大16時間以内となっています。ただし15時間越えは週2回以内とされています。
次回に続きます。