4.作業を改善する基本 【急所46】職人の基準

私は「職人」という言葉が好きです。職人さんは一つの困難なことにコツコツと研鑽を重ねて、誰にもまねできない卓越した技術・技能を身に付けている人のことですから、当然のことですがとても憧れます。いわゆる、「職人技(わざ)」によって、製品の技術的な優位性を引き出したり、あるいは誰をも唸らせたりする仕事ができる人であって、企業が大切にするべき本物の人材のことをいっています。このような人は企業にとってはまさに「人財!」といえるでしょう。このような高い技術・技能を持った人をたくさん育てて行けば会社は更に発展すること間違いなしです。
 
しかし、一方でこの職人という言葉には注意も必要です。それほど難しい仕事ではないにもかかわらず、その工場ではたまたまその人しかその仕事をできないので、その人のことを職人だと本人も周囲の人も勘違いしていることもあるのです
 
その人は自分の仕事をきちんと体系化していないので、自分の仕事を動作レベルでしか表現できません。そのため説明がとても分かりにくいのです。しかしその分かりにくいという欠点を、「彼は職人だから...」などという言い方で周囲も許してしまっていたりします。その上、自分の仕事を抱え込んで外から見えなくすることで現在の地位を守ろうとしたりします。そういうことですから人を育てる努力もしてくれません、というか育てられないのです。
 
とんでもないことですが、このような「人罪⤵」を職人だと勘違いしている工場は残念ながら少なくないのです。本物の「人財!」は人を育てられるし、社内だけでなく社外からも評価される技術・技能を持っているのです。
 
アフターコロナにすることの一つとして、全員の仕事のレベルアップにチャレンジしませんか。“本物の人財”育成プロジェクト!です。
 
今週の言葉  ニセ者の職人がのさばっていないか。