プロジェクトでカイゼン [Project de Kaizen] 第22回

何が変るのか テレワーク時代の社内プロジェクト(その1)



前回は、言語化スキルはさらに重要になるとの観点からプロジェクトの名称について述べました。これは、コロナ禍によるテレワークの進展に伴う変化のひとつです。また、言語化スキルについては前々回で重要な概念には名前をつけることが欠かせないという事例も紹介しました。今回はプロジェクトについて、これからの時代にどういう変化があるのか、見ていくことにします。

1.どのような目的や形態のプロジェクトのニーズが増えるか
そもそもテレワークの急速な進展は、コロナ禍がきっかけになっています。リーマンショックをはるかに超える世界的な社会的かつ経済的大変動が進行しています。このような状況で中小企業が断行すべき二大課題として、筆者は経営生産性の向上とサプライチェーンの多極化、この二つだと考えています。

2.経営生産性の向上と他社連携
中小企業ゆえの本質的な課題として経営生産性の向上があります。例えば、販路拡大について自社の努力だけでなく、同業他社や異業種他社との協業や連携があります。このような場合、どのような協働活動を展開するか、まさにプロジェクトの選択と運営の巧拙がカギとなります。
また、社内プロジェクトについては、組織や商品系列の再編、生産拠点や営業拠点の新設・統合・廃止、人事制度の刷新などがあります。
社外と社内いずれにしても、プロジェクト活動を立案し、目標(ゴール)と期限を設定し、投入資源(具体的にはヒト、カネ)を予算化して進めていくことになります。

3.サプライチェーンの多極化(多様化)
この目的は、基本的にはリスクの回避あるいはミニマム化となります。ただ、課題の性格上、長期間を要するので通常のプロジェクトとは異なる取り組みになります。つまり、まずは長期的な構想をまとめることから着手します。少ない人員で対応していかざるを得ず、また提案にこぎつけるまで時間がかかるのでなかなか難しいプロジェクトであると言えます。また、これについても同業他社や異業種他社との協業や連携を視野にいれて検討することが欠かせません。従って、前項で述べた経営生産性向上のための他社連携がここでも活きてくることになります。

次回は、プロジェクトの運営についてテレワーク時代に適したものにどう変っていくのかを述べることにします。