虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第3回:仕事は遊びで、遊びは仕事というのは表裏一体(その2)

●ズームインとズームアウトを繰り返し、視点を変える

今までと同じ見方だけをやっていては、だんだんと現実が見えなくなるものです。日本では幼児語で車のことを「ぶー、ぶー」といいますが、ドイツでは「Zoom、Zoom(ズーム、ズーム)」といいます。どこかで聞いたようなCMですが、まさにそのものです。このズームで2つの見方をしていきます。まず「ズームイン」ですが、そのことに焦点を当てることですが、まさに虫の眼で事細かく見ていくものです。まるで地面を舐めるように!です。刑事も現場百回と現場に何度も足を運び、調査して証拠を探し出し、犯人を見つけていきます。
 
調査したことは、自分の感情を入れることなく、虫の眼で見ますと、「あり(蟻)のままに、あますところなく、ありあり(蟻蟻)と」客観的にまとめて誰でも見てわかるようにします。
次は「ズームアウト」ですが、今度は地面から一気に空高く舞い上がり、鳥になって全体や周辺の状況も見て事実を確認していきます。自工程で発生する不良の半分は、自工程で半分は対策ができますが、あとの半分は前工程に原因があるので対策を自ら取ることはできません。それは前工程からくる材料や半完成品に不良があることと、設計自体に問題があるからです。
 
工場において入り口から出口までの流れを、すべて知っている人はいません。また製品の製造工程において、部品の受入から加工、組立、検査、梱包、完成品倉庫、出荷までの流れの全体像を知らない人も実に多くいます。一部の工程のみを知っているだけでは、良い問題解決にはなりません。その工程だけを見ていても本当の原因は掴めません。
 
入り口から出口まですべてを見渡すことで、異常がどこにあるかがみえるようになります。仕事はお互いの関連を知ることで、弱み強みが感じ取れるようになっていきます。
このようにズームインとズームアウトをいつでも繰り返すことで、問題そして原因、真因がだんだんと見えるようになり、さらに双方の情報も集まり、打ち手が的確になっていきます。つまり繰り返すことで、バラバラだったそれらが一体となり流れも見えてきます。この流れは魚の眼で見ていきます。正しい事実を見つけると、問題の8割は解決したようなものです。
 

●仕事の中に遊び心をいつも持ちたいものです

アイデアが出やすくなるのは、脳がリラックスしている時です。ただしその前に必要な情報を一杯左脳、右脳にインプットしておくことです。 多くのアイデアを出すには、出来るだけ広範な情報を収集することが重要で、そのコツとしては雑学が非常に良いというのが経験則です。まったく関係ない情報ほど、とんでもない面白いアイデアが閃きます。
 
時間があればいつでも、ハゼのように何でも食らいつく魚のように情報を頭にインプットしておきます。出来れば文字情報より映像やイラストが覚えやすく思い出しやすいものです。仕事を労働と感じていては義務にしか感じられません。そこにはノルマを果たすだけになり、人間ではなくまるでロボットに陥ってしまいます。それではアイデアも改善も出てきません。
 
仕事を遊び感覚で楽しむようになるには、心のスイッチをON(遊び)にするかどうかです。それは心の持ちようだけで自分自身で決めることができます。心に決めればよいだけなのです。決断することです。人生は長いようで短く、しかも1回きりの片道切符なのですから、大いに楽しみたいものです。
 
余裕がないかと思っても、まだまだあると少し意識を変えるだけで、変わることができるのです。そのためにもどんな時でも遊び心を持つことです。そのためにはいつも笑顔で笑っているようにしたいものです。仕事と遊びは表裏一体の関係のようです。両方を楽しむという考えになると楽に取り組めるものです。

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