虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第6回:100円ライターの寿命は何回?(その2)

● 実験したその回数は630回で、毎日1箱1カ月分

その着火可能回数は、630回でした。バラツキを確認するために数個やろう試みましたが、指がまったく動かなくなり、友人に頼んだがバカバカしいということで相手にしてもらえませんでした。結局1回の実験でしたが、非常に興味ある数字になりました。
 
この着火可能回数の設定を推定してみますと次のようなことが考えられます。100円ライターは、マッチの20倍の値段がしたので、最低20本×20=400回の着火回数を設定したとみられます。さらにメリットを出すためと、バラツキがあっても最低400回の着火回数を確保したかったとみられます。
 
実際には、630÷400=1.58≒1.6倍の寿命がありました。使ってみた体験でも、ほぼ1日に1箱が普通であったので、大体100円ライターが1ヶ月に1個なくなる非常によい630÷20=31日間でした。時にイライラがあると増えましたが、体験的にも自販機で朝購入して、ちょうど1日でなくなっていました。それとは別に毎日パイプタバコを吸っていましたので、これはマッチの方が便利でした。
 
ライターはパイプの中のタバコに着火する時に炎を下に向けるので、非常にやりづらかったので、着火方法はマッチでした。あとで横から炎が出来るライターも発売されたが、やはりパイプにはマッチがマッチしていたようです。
 
自宅から会社まで25kmほどあり、車に乗ってからパイプにタバコを詰めて着火して吸い始めて発車すると、ちょうど会社の駐車場まで到着する35分で消えるタイミングになっていました。毎日往復するたびに吸っていたので、まるで体内時計のようにパイプをくゆらす時間も同期化していたようです。
 
ただし、数回に一回はパイプのタールを取るための清掃作業が必要でしたが、これも手間を掛けてゆっくりと時間を過ごす楽しみでした。また車の清掃は、普通は外側からの洗車ですが、著者の車はパイプのニコチンとタールで黄色に変色しており清掃が大変で、誰も手伝ってくれませんでした。
 

● ライターの寿命を2倍、3倍にする方法は?

ライターの寿命を簡単に長寿命化することができますが、皆さんはどう考えますか?ガスの容量を増やす?何もしないでもやり方を変えるだけすぐに出来ます。それは虫の眼で細かく観察することです。実験の時に2秒という設定をしました。普段風が強い時はライターとタバコを極限まで近づけます。そうその通りです。タバコにライターを接近させて着火したらすぐに吸い込み、すぐに炎を消すのです。そうすれば一気に寿命を延ばすというか、着火回数を一気に増やせます。
 
この一連の動作を確認してみますと、①着火したことを確認する、②タバコに近づけ火をつける、③タバコから炎が見える位置まで離す、④その後消すためにレバーを離す動作をしています。一連の動作にムダがあります。タバコに近づけ一気に吸い上げて、すぐにレバーを上げて炎を消せばよいのです。
 
1秒にすれば2倍になります。0.7秒だと3倍の回数が着火できます。先述べた前提条件を少し見直すことで、結果は何倍も違ってきます。さらに最初から炎の調整ネジを最小にしておけばガスの噴出量も少なくなり、寿命も長くなります。ヤスリの付いた石(火打石)の寿命はガス以上にありますので心配しなくてもよいでしょう。このようにズームインして動作をよく観察することで、見えなかったことが見えるようになり、思わぬ好結果を発見することができます。